「WebARENA IndigoのVPS」の各プランの比較と評価

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WebARENA Indigo」はNTTPCコミュニケーションズが提供するVPSです。 NTTといえば大手であり、料金もお高い印象がありますが、WebARENA Indigoはむしろ格安のVPSとなっています。

そこで、この記事ではその実力のほどをじっくりと確認して行きたいと思います。

Note 以下は 2022/06/25 時点での情報を基に記述しています。

プランと料金

WebARENA Indigoは主要ライバル会社のVPSに比べて、とにかく圧倒的な低価格であるのが特徴です。 料金は月額制ですが、月額上限料金が定められており、それ以上の料金になることはありません。

なお、他の会社のように長期契約による料金割引のオプションはありませんが、それを差し引いても魅力的な料金プランですね。

メモリ月額上限年額時間割料金
768MB297円3,564円
(1ヶ月あたり297円)
0.49円
1GB349円4,188円
(1ヶ月あたり349円)
0.55円
2GB699円8,388円
(1ヶ月あたり699円)
1.1円
4GB1,399円16,788円
(1ヶ月あたり1,399円)
2.2円
8GB2,798円33,576円
(1ヶ月あたり2,798円)
4.4円
16GB5,596円67,152円
(1ヶ月あたり5,596円)
8.8円
32GB11,193円134,316円
(1ヶ月あたり11,193円)
17.6円

※料金は消費税込みのものです。
※月額は月額上限料金のものです。
※年額は月額上限料金x12の料金です。
※最低契約期間はありません。(利用期間が1ヶ月に満たない場合は時間割料金になります)

ちなみに初期費用はいずれのプランも無料です。使った分(時間)だけの支払いとなるため、気軽にお試しすることができます。この辺りは従量課金制の利点ですね。同じような従量課金制のVPSとしては、ConoHaやカゴヤのVPSがあります。

Note料金は通常料金で掲載・比較しています。キャンペーンで特定のプランが割引料金になる場合がありますが、一時的なものであるため除外しています。

ディスク容量とCPU

スペック的には、1GBプランでSSD容量2GB、CPU数1とスペックはやや抑えめです。その分、料金に反映されているという感じです。 人気どころは1GBもしくは2GBプランと考えられますが、1GBプランはSSD 20GBはともかく、CPU数1という点は悩ましいところです。このスペックでは小さなブログサイトかAPIサーバー程度にしか使えない気がします。

参考例えば、ConoHaのVPSであれば1GBプランでSSD 100GB、CPU数2です。

但し、2GBプランではCPU数2、SSD 40GBとスペックは倍になり、それでいてライバル会社の1GBプランよりも安いため、2GBプランが最もコスパの良いプランと言えるでしょう。

メモリディスク容量CPUコア数
768MBSSD 20GB1
1GBSSD 20GB1
2GBSSD 40GB2
4GBSSD 80GB4
8GBSSD 160GB6
16GBSSD 320GB6
32GBSSD 640GB8

Noteメモリ容量に対してストレージ、CPU数が抑え気味であるため、プラン選定の際はそのあたりもしっかりと考慮しておく必要があります。

用意されているOS

OSテンプレートは非常にシンプルにCentOSRocky LinuxUbuntuの3種類のみです。 人気のあるディストリビューションのみに絞り込んでいますね。

なお、ISOイメージからのインストールは行えないため、以下のOS以外は使用できません。

OSバージョン
CentOS 7.5/8.1/Stream 8/Stream 9
Ubuntu 18.04LTS/20.04LTS/22.04LTS
Rocky Linux 8.4
AlmaLinux 8.6/9.0
Oracle Linux 8.6

コントロールパネル

アカウントを作成してログインするとまず以下のサービス管理画面になります。サービス管理画面ではアカウント管理インスタンス管理が行えます。アカウント管理ではアカウント情報の確認や、支払い方法の確認や変更、利用明細などが確認できます。

アクション」アイコンをクリックすると Indigo のインスタンス管理ページに遷移します。インスタンス管理では、インスタンスの作成や起動、停止などの操作が行えるほか、コンソールの接続やファイアフォール設定、スナップショットの作成などが実施可能です。

インスタンスの作成画面ではイメージ(OS)とサイズ(メモリサイズ)を選択、SSH鍵の生成、インスタンス名を入力して作成します。インスタンスの作成自体は非常にシンプルな操作で完了します。

インスタンス一覧画面では、作成したインスタンスやステータス(起動/停止)の確認、操作(コンソール接続など)が行えます。

ダッシュボードにはインスタンス数やSSH鍵数、ファイアウォールのルール数のみが表示され、コントロールパネル自体も比較的シンプルにまとまっている印象です。

拡張性

シンプルでリーズナブルなVPSをコンセプトにしているだけあって、追加SSDやスケールアップ・スケールダウン等の機能はありません。拡張性については皆無と言っていいでしょう。

安定性

シンプルとは言え、スナップショット機能は用意されており、万が一のOS破損やデータ消失の際にも手軽に復旧することが可能です。但し、ConoHaのように、スナップショットからの新規インスタンスの作成機能はありません。

スナップショットの利用料金も時間従量課金または月額上限料金になっており、SSD 20GBであれば、月額110円(20x5.5)になります。

時間従量課金月額上限料金
スナップショット1時間あたり 0.008円(税込0.0088円)/GB5円(税込5.5円)/GB

また、プラン(メモリ容量)ごとに1つのインスタンスあたりのPV数やデータ転送量の目安を公開しており、この範囲内で利用する分には原則問題はないと考えられます。

もし以下の目安を超過する項目があるようであれば、新たなインスタンスを作成した方が良いでしょう。

サーバータイプ(メモリサイズ)1GB2GB4GB8GB
1日あたりのHit数10万Hit以下20万Hit以下40万Hit以下80万Hit以下
1日あたりのPV数 1万PV以下2万PV以下4万PV以下8万PV以下
1時間あたりのPV数400PV以下800PV以下1600PV以下3200PV以下
1日あたりのデータ転送量20GB以下40GB以下80GB以下160GB以下

サポート

メールやチャット、電話の問い合わせ窓口は無いため、サポートをよく利用する人は注意が必要です。

サポートコストを削減している分、料金を抑えられているのでしょう。とはいえ障害発生は起こりうることであり、その場合の対応は気になるところです。

故障発生時の対応方針は以下となっています。

連絡手段連絡先/情報掲載先連絡時間目安
Web掲載工事・故障情報30分以内
メール連絡コントロールパネルに登録のメールアドレス60分以内

Note利用中の仮想サーバーへの影響がない場合や、コントロールパネルやお申し込みページ、APIに関する故障の場合は、メールでの連絡はせず、Web掲載のみとなります。

もちろん障害が発生しないのであればサポートは不要であるし、問い合わせが必要となるような障害はそうそう起きるものではありません。 サポートという観点では、そういった割り切った考え方が受け入れらるが否かで意見が分かれそうですね。

評価

WebARENA Indigoは一言でいえば低価格でシンプルなVPSと言えます。 但し、スナップショット機能やDNS機能など最低限あって欲しいと思う機能は揃えており、ユーザー目線で機能の取捨選択が良くなされている印象です。

WebARENA IndigoはVPSが初めての方や、少しでもコストを抑えたい方にはうってつけのVPSと言えるのではないでしょうか。

もしくはWebサイトの運用ではなく、低価格プランでFlaskなどによるAPIサーバー(REST API)として利用するのも有用かもしれません。

公開日時:2022年02月12日 15:12:23
最終更新日時:2022年07月08日 07:20:20

なお、VPS選びで迷ったらこちらの記事で主要VPSのメモリ容量ごとの月額、年額料金を比較していますので、是非参考にしてみてください。

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