「さくらのVPS」の各プランの比較と評価
カテゴリ:VPSレビュー
レンタルーサーバといえば、まず「さくら」が思い浮かぶのではないでしょうか。 そこで老舗である「さくらインターネットのVPS」をレビューしたいと思います。
Note 以下は 2022/06/25 時点での情報を基に記述しています。
プランと料金
プランはメモリ容量を基準として512MB~32GBまで分けられています。 スペックと料金のバランスが丁度いい2GBのプランが人気があるようです。
メモリ | 月額 | 年額 |
---|---|---|
512MB | 643円 | 7,078円 (1ヶ月あたり590円) |
1GB | 880円 | 9,680円 (1ヶ月あたり807円) |
2GB | 1,738円 | 19,118円 (1ヶ月あたり1,593円) |
4GB | 3,520円 | 38,720円 (1ヶ月あたり3,227円) |
8GB | 7,040円 | 77,440円 (1ヶ月あたり6,454円) |
16GB | 13,200円 | 145,200円 (1ヶ月あたり12,100円) |
32GB | 26,400円 | 290,400円 (1ヶ月あたり24,200円) |
※料金は消費税込みのものです。
※月額は3ヶ月契約時のものです。
※年額は12ヶ月契約時のものです。
※最低契約期間は3ヶ月です。
※料金は最も利用料金が安い石狩ゾーンの料金です。
Note料金は通常料金で掲載・比較しています。キャンペーンで特定のプランが割引料金になる場合がありますが、一時的なものであるため除外しています。
Noteゾーンは石狩、東京、大阪から選べ、料金は石狩 < 大阪 < 東京となります。新プランになってゾーンごとに料金が変わっており、料金体系が少し複雑になっています。
ディスク容量とCPU
上位のプランになるほど、メモリ容量に合わせてディスク容量、CPUのコア数が増加します。 ディスクの種類はSSDのみとなります。 人気の2GBのプランではSSD 100GBとなり、また変更費用0円(1回のみ)で倍の200GBに変更することも可能です。(大阪リージョンを除く)
さくらのVPSはSSDのコストパフォーマンスには非常に優れているVPSと言えますね。
メモリ | ディスク容量 | CPUコア数 |
---|---|---|
512MB | SSD 25GB 変更費用0円で50GB | 1 |
1GB | SSD 50GB 変更費用0円で100GB | 2 |
2GB | SSD 100GB 変更費用0円で200GB | 3 |
4GB | SSD 200GB 変更費用0円で400GB | 4 |
8GB | SSD 400GB 変更費用0円で800GB | 6 |
16GB | SSD 800GB 変更費用0円で1600GB | 8 |
32GB | SSD 1600GB 変更費用0円で3200GB | 10 |
用意されているOS
OSはVPSコントロールパネルからワンクリックで再インストールが可能な標準OSと、OSのインストーラーからインストールするカスタムOSに分けられます。
用意されている標準OSは、64bit版のCentOS 7、CentOS Stream 8/9、Ubuntu 18/20、KUSANAGI 8/9になります。 カスタムOSには、AlmaLinuxやRockyLinux、Debianなど多くの主要ディストリビューションが含まれます。
標準OS | カスタムOS |
---|---|
標準OS: CentOS 7 (x86_64) CentOS Stream 8 (x86_64) CentOS Stream 9 (x86_64) AlmaLinux 8 (x86_64) Rocky Linux 8 (x86_64) Ubuntu 18.04 (amd64) Ubuntu 20.04 (amd64) Ubuntu 22.04 (amd64) KUSANAGI 8 (CentOS 7 x86_64) KUSANAGI 9 (CentOS Stream 8 x86_64) カスタムOS: |
ちなみにカスタムOSはOSのインストールオプションやパーティション構成をカスタマイズしてインストールすることが可能です。
コントロールパネル
次はさくらのVPSのコントロールパネルです。 VPSコントロールパネルへのログインには会員IDもしくはIPアドレスでログインが可能です。
VPSコントロールパネルではサーバーの稼働状況、起動、強制再起動、強制停止、コンソール(VNCコンソール、シリアルコンソール)、各種設定(サーバ情報編集、OSインストール、ネットワーク接続、ホスト名逆引き登録)が行えます。
また、リソース情報では、1日もしくは1週間の幅でCPU使用時間、ディスクI/O、トラフィックの状況を確認することができます。
拡張性
スケールアップ
さくらの特筆すべき機能はVPSコントロールパネルからデータを引き継いだ状態での上位プランへの移行(スケールアップ)が可能な点です。 以下はさくらのサイトのスケールアップの条件についての記述の抜粋です。
ご利用条件
V4、V5のサーバープランのお客様(2014年11月27日以降に契約されているサーバー)
以下の場合はご利用できません
・現在よりもディスク容量が少ないプランへの変更
・別リージョン、別ゾーンへのスケールアップ
・お試し期間中や、料金が未納状態になっているサーバーのスケールアップ
・「for Windows Server」へのスケールアップ
・「さくらのVPS」を申し込まれた当日のスケールアップ
スケールアップの際は差額分の即時決済となります。 但し下位プランへのスケールダウンは行えません。
NFSの追加
またNFS(Network File System)を追加することもできます。 NFSを追加する際には、事前にスイッチを作成しておく必要があります。 スイッチの作成やNFSの追加はVPSコントロールパネルより行えます。
安定性
1~2日の頻度で小さな障害(接続しにくいなど)は発生していますが、概ね安定している印象で、障害発生時の復旧も数分程度と迅速です。 もちろん24時間365日、有人監視です。
災害時の対応
ちなみに、さくらのレンタルサーバーといえば、2018年9月6日に発生した北海道の震度6強の地震により石狩データセンターの電源供給が止まり、自家発電を強いられる状況となりました。 しかし、日本中の自治体や官公庁も利用しているらしく、国と経済産業省の支援を得てサーバ停止を避ける事ができました。
さくらのような老舗で大きなレンタルサーバー会社には、そういった非常時における安心感もありますね。
私もさくらの石狩のVPSを使用しているため助かりました。
参考:
さくらのお知らせページの「北海道胆振東部地震による影響について(2018年9月8日14時30分追記)」の抜粋より
サポート
サポートはメールと電話によるサポートを行っています。 特にメールの場合は土日祝も対応しているため、連休中でも安心ですね。 チャットによるサポートはありません。
形式 | 受付時間 |
---|---|
メール/フォーム | 10:00 ~ 18:00(土日祝も受付・対応) |
電話 | 09:45 ~ 18:00(土日祝・指定休日は休み) |
チャット | なし |
SSL
さくらの独自SSL証明書は、格安のJPRS(1年990円)のドメイン認証型の証明書が魅力的です。
他には、同じくドメイン認証型のラピッドSSL(1年2,970円)や、JPRSのドメイン認証型ワイルドカード証明書(1年18,150円)なども用意されています。
それ以外にもサイバートラストやジオトラスト、デジサート、グローバルサイン、セコムなど主要な認証局の証明書を豊富に揃えている印象です。
評価
さくらのVPSのプランと価格、SSL証明書の豊富さはさすが老舗と言うべきで、VPSを選ぶ際に最有力候補になるかと思います。
ライバルのお名前.comのVPSも魅力的な価格で対抗している感じですが、SSL証明書は充実しているとは言えず、さくらなど他でSSL証明書を取得するか無償の「Let's Encrypt」(インストールや自動更新設定等が必要)を導入ことになるのではないかと思います。
その点ではVPSと一緒に格安SSL証明書も契約できる「さくらのVPS」は魅力的ですね。
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公開日時:2018年09月17日 17:29:37
最終更新日時:2022年07月13日 11:09:38